「英語には敬語はない」と言われることもあります。
たしかに、日本語を同じ表現はありません。
ですが、英語には、レベル別の丁寧な表現が存在します!
日本語と違って英語は、文化的背景が違う人たちでやりとりされている言葉。
マナーがなっていなければ、相手から誤解されてちゃうかもしれません。
相手に敬意を伝えられる英語の丁寧語表現の鉄板、3個ご紹介しますね。
これを使いこなせれば、相手にいやな思いをさせず、英語でお願いをしたり、断ったりできるようになりますよ^^
Please は使っちゃダメ
まず最初に、やりがちな間違いについて、お伝えしますね。
それは、Please を使ってお願いしちゃだめ、ということ。
「Please」を使うと丁寧な表現になる、と学校で習いましたが、じつは、Pleaseは、
それほど丁寧な表現ではありません。
たとえば “Please send it.” と言うと、日本語にすると「これ送って」という、やや上から目線の表現になってしまいます。
「これ、送っておいて」
と相手から言われたら、ちょっと、きついですよね^^;
強く言いたい場合やたまに使う程度なら良いのですが、ふだん使うのは避けておきましょう。
丁寧表現1: Could you …?
ではどんなふうな表現をするか。
一番よく使えるのは、Could you または Would you です。
”Could you send it to us as soon as possible?”
「これをできるだけ早く、私たちに送ってくれませんか。」
となります。
なぜこれが丁寧表現になるのか、というと、実はここの ” Could ” は、仮定法からできているんです。
ちょっと面倒な文法の話になりますが、丁寧表現を理解するうえでとっても大事なので、ついてきてくださいね^^
英語の仮定法
英語には、If ではじまる「仮定法」という表現があります。
たとえば、こんな感じです。
If it is fine tomorrow, we will go to the park.
「明日お天気なら公園にいくつもりです。」
この表現だと、「明日の天気が晴れ」というのは、十分可能性があることです。
なので公園にいける確率も高いです。
ですが仮定法には便利な使い方があって、時制を過去にすると、可能性が低い話をすることができるのです。
先ほどの文章を過去形にしてみますね。
こうすると、今日のお天気は晴れではない状況で、「(もし)今日晴れていたら、公園にいくのに。」という表現になります。
時制を考えるとちょっと面倒かもしれませんが、仮定法、すっごく便利です。
というのも人は、常に「タラレバ」で考えている生き物。
こうだったら、ああだったら、私だったら、という表現、日常生活でたくさん使いますよね。
仮定法を使えば、タラレバの話が自然に言えるんです。
たとえば、恋人のプロポーズを断ろうとしている友だちにアドバイスするとき。
こんな風に言えます。
”If I were you, I would not marry him.”
「私があなただったら、私は彼と結婚するのに。」
この仮定法、表現を丁寧にするときに、とっても役にたつんです。
丁寧な表現は、「(もしよろしければ)これをしてもらえませんか。」といった、いってみれば枕言葉みたいなものが、言葉の外についています。
そこで、相手にお願いしたいときに、こんなふうに表現します。
「それを私たちに送っていただけませんか。」
「Could you」をつけることで、「もしよろしければ」の枕言葉を伝えることができるんです。
もちろんこれ、「Can you 」でもいいです。丁寧な表現として受け取られます。
ですが、「Could you 」にすることで、「本当はこんなことお願いすると悪いんだけど」「お願いすべきじゃないんだけど」といった遠慮、相手に対しての強い敬意を込めることができるんです。
Could you の上をいく丁寧表現
Could you 意外にも、いくつか丁寧表現があります。
ご紹介しますね。
といっても、先ほどの仮定法の応用編です。
ひとつめは、こちら。
“It would be appreciated if you could send it as soon as possible.”
「もしあなたがこれを出来る限り早く送ってくれると、助かります。」
“It would be appreciated if ~“ というと、「もしあなたが~をしてくれたなら、ありがたいです」となります。
どちらかというと、メールで使われます。
この表現も、「こんなことをしてもらうのは申し訳ないけど。負担かけちゃうけど。でも、もしできればやってくれると有難いのです。」という気持ちを、仮定法を使って表現しています。
もっと強く伝えたい!という場合には、
と、highly や much をつけてくださいね。
強いお願いの気持ちをつけることができます。
他の方法としては、mind があります。
mind は単体では、「気にする」という意味です。名詞だと、マインド。そのままですね。
よく日本語で “Don’t mind” といったりします。
これは、「気にしない!」という意味です。
「どんまい」ですね。
これを丁寧表現でつかう時は、こんなふうにします
“Would you mind if I ask you this?”
「もし私がこれをあなたにお願いしたら、気にしますか?」
=「これをやっていただいてもいいですか。」
相手の気持ちをすごく尊重している表現ですよね。
これに対して、「大丈夫だよ!」というときは、「No」で答えます。
Yes と答えちゃうと「気になるよ=いやだな」と否定の意味になっちゃうので、注意してくださいね。
ほかにも色々、丁寧表現
3つの丁寧表現をご紹介しましたが、ほかにも、いくつかあります。
たとえば、
Can I ~ ときくと、「~してもいい?」という意味になります。
また、Would it be possible for you to ~ なんて表現もあります。
“Would it be possible for you to send this document by the end of the next week?”
「この書類を来週末までに送っていただくことって、可能でしょうか。」
とはいっても、色々な表現は、使いこなす必要はありません。
「Could you 」ができれば問題なし!
まずは、Could you をつけておきましょう。
日本語の敬語と尊敬語は、英語にできない
英語の丁寧な表現をご紹介しましたが、当然、日本語と同じではありません。
それは日本語の方が丁寧というより、私たちが無意識に使っている日本語には、さらにこみいった意味がはいっているからです。
じつは日本語には「相手がだれか」を前提に表現をきめる部分がたくさんあります。
相手が自分にとって中の人か、外の人かで、表現を変えているんです。
たとえば、社長秘書の電話応対。
会社の外の人から電話があると、
「○○はいま、でております」
と、社長を呼び捨てにして、返事します。
会社の中の人からの電話であれば、
「社長はいま、でていらっしゃいます」
と、社長にたいして尊敬語を使って答えます。
こんなふうに、私たちは、相手がソトかナカか判断し、尊敬語や謙譲語を瞬時に使いこなしているんです。
こういったウチソトの表現、英語にはありません。
そして、日本語を勉強する外国人にとって、ハードルが高い部分だそうです。
たしかに、こんなことを考えて話そうとすると、日本語を完全に使いこなすってむずかしそうですね^^;
私たちって無意識にいろんなことを考えて、言葉を選んでいるんですね。
まとめ:英語で丁寧に伝える言葉
英語で相手に丁寧にお願いする場合は、Please だけだと、ぶっきらぼうな印象です。
また、英語には、日本語独特の尊敬語・謙譲語は英語にはありません。
ですが、英語でも丁寧な言葉はもちろん大事です。
仮定法の丁寧表現を使えば「もしよろしければ」というニュアンスを伝えられます。
具体的な表現は次の3つ
Could you/ Would you
It would be (highly/much) appreciated if you ~
Would you mind if I ask yo to ~?
色々面倒な表現を覚えるのが面倒だったら、「Could you ] だけ、覚えてくださいね^^
これだけでも、相手への敬意はしっかり伝えられます。
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